TOKON10実行委員会公式ブログ

第49回SF大会TOKON10実行委員会の公式ブログです。
開催日程:2010年8月7日(土)〜8日(日)
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東京SF大全 4「魔界塔士 Sa・Ga」
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    「魔界塔士 Sa・Ga」(ゲームボーイソフト、スクウェア、1989年)

    「この塔は、天界へと通じているんだ」。
     1989年に小学2年生だったぼくは熱狂した。神、というのもよくわかっていなかった。だが、GAME BOYで最初のRPGは面白かった。世界は狭く、わかっているのは1本の、とても長い塔があり、その塔を伝えば別の世界へ行けるということ。もっとずっと大きくなって、「バビロンの塔」というSFを読んだ時、この『Sa・Ga』の塔を思い出したっけ。
     それはともかく、敵のモンスターは強かった。時には20体以上もの敵が現れ――容赦なく何発も攻撃を受け――ヒットポイントが0になると、無慈悲に「しんだ」と表示される。このシリーズで「しんだ」なんて表記が出たのは、最初の『魔界塔士Sa・Ga』だけだ。
     追加の生命を買うこともできるが、あまりにも法外な価格(50000ケロ)だったため、最初からやり直したほうが早い。
     何時間もやりこむうちに、GAME BOYの小さな白黒画面に映る書き割りのようなキャラクターたちが、いつしか兄弟のように愛しくなっていた。GAME BOYのソフトにプログラミングされているデータの容量は限られている。でもだからこそ、無駄がない。
     並み居るモンスターを倒し、強くなって塔を伝い、大陸世界から海の世界・空の世界と渡っていき、ようやく16階に辿り着く。
     16階は都市の世界だった。核戦争の後で滅んだかのように、荒廃した街がどこまでも続いている。そして、どこへ行っても炎に包まれた鳥が追いかけてくる。各々の世界を統べていた四天王の最後の生き残り、朱雀だ。朱雀は全身がバリアーに包まれている。
     朱雀を滅ぼすためには、「イレイサー99」が必要だという。
    「イレイサー99」を集めるため、アキバ、アメ横、新宿ビルを回っていく。ドットの集まりで表現され、カナで記されたトウキョウの地名。遊んだ後、ようやくそれがトウキョウに実在する地形だと知った小学生のぼく。北海道の片田舎にいたぼくは、『魔界塔士Sa・Ga』を通じて、はじめてトウキョウのことを知った。
     ようやく完成したイレイサー99を使って、朱雀を滅ぼす。だが、ゾクチョウは命を落とし、形見として、「ゾクのハチマキ」をもらった。このことは忘れない。
     たかだかゲームなのはわかっていた。だけど、すごく立派なことをした気分になったのも確かだった。いつかトウキョウへ行ってゲームをつくってみたい。叶わぬ夢のように、ぼんやりそんなことを考えたりもした。(岡和田晃)


    参考
    BGM http://www.youtube.com/watch?v=vhu9MtCe2oI&feature=related
    実況動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm6438353
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